デリヘルで本番行為をして「訴える」と言われたら|刑事・民事のリスクと初動対応

ホテルの部屋で女性と男性から脅されるシーン

デリヘル(派遣型風俗)では、本番行為(性交)は店のルールで禁止されているのが通常です。ところが、プレイ中の流れで本番行為に及んだ後、女性や店から「同意していない」「警察に行く」「訴える」と言われ、動揺して相談に来られる方は少なくありません。

この記事では、このような場面で問題になる刑事責任・民事責任の考え方と、最初にやるべきこと・絶対にやってはいけないことを、弁護士の立場から解説します。

想定されるご相談

出張先でデリヘルを利用し、プレイの流れで本番行為に及んだ。後日、店から「女性が同意していなかったと言っている。警察に被害届を出すと言っている」と連絡があった。心当たりはあるが、自分としては同意があったと思っている――。

なぜ「本番行為」が問題になるのか

本番行為が問題になる場面は、大きく3つに分かれます。

  • 店のルール違反:本番行為の禁止は、店と利用者の間の利用規約・ルールとして定められているのが一般的です。違反を理由に、出入り禁止やペナルティ(違約金)を請求されることがあります。
  • 刑事責任:女性が同意していなかったと評価されれば、不同意性交等罪(刑法177条)が問題になります。法定刑は5年以上の有期拘禁刑と重く、示談や不起訴を目指す場面でも、最初の対応が結果を左右します。
  • 民事責任:同意のない性行為は不法行為(民法709条)にあたり、慰謝料などの損害賠償を請求される可能性があります。

なお、金銭を介した性交自体は売春防止法で「してはならない」とされていますが、単純な売春行為そのものには処罰規定がありません。このため、実際にトラブルの核心になるのは、「相手が同意していたか」という点です。

「同意があった」と言えるのか

2023年の刑法改正で、いわゆる強制性交等罪は「不同意性交等罪」に改められました。暴行・脅迫がなくても、同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態で性交等をすれば、成立し得る犯罪です。

風俗店の利用では、「サービスの一環として本番行為に応じるのが当然」とは評価されません。プレイ内容の範囲を超えた行為について、女性が明確に拒絶していた、恐怖で拒絶できなかった、追加の金銭を提示されたが承諾していなかった、といった事情があれば、同意はなかったと判断される可能性があります。

逆に、同意があったかどうかは、当日のやり取りという「密室の出来事」をいかに再現できるのかにかかります。次のような客観的な事情が重要な判断材料になりますが、立証するにはハードルが高いともいえます。

  • 当日のLINEやメッセージ、店とのやり取りの履歴
  • 料金やオプションの支払い状況、追加料金の提示の際の交渉記録
  • 女性の言動(直後の様子、退室時の対応、その後の連絡)
  • 店側の記録(受付時の申告、女性からの報告内容)

「自分は同意があったと思う」という主観だけでは足りません。早い段階で、事実関係と証拠を客観的に整理することが重要ですし、不十分であれば方針を直ちに練り直す必要があります。

やってはいけない対応

  • 女性や店に直接連絡して、事情を問いただす・説得する・口止めする:威迫や口封じと受け取られ、事態が悪化します。
  • メッセージ・通話履歴・予約履歴を削除する:証拠隠滅を疑われ、不利な評価につながります。
  • 提示された金額を、内容を確認せずにその場で支払う:金額の妥当性、支払いと引き換えに得るもの(被害届を出さない約束など)を整理しないまま払うと、あとから追加請求される例もあります。
  • SNSなどで反論・拡散する:名誉毀損など、新たな責任を負うおそれがあります。

最初にやるべきこと

  • 事実を時系列で整理する:予約から退室までの経緯を、思い出せる範囲で書き出します。
  • 証拠を保全する:メッセージ、決済履歴、予約画面などをそのまま残します。
  • 連絡窓口を弁護士に一本化する:店や女性との連絡は、弁護士が代わって行います。
  • 警察から連絡が来た場合は取調べの前に弁護士に相談する:最初の供述が後の手続に大きく影響します。

示談で解決できるのか

被害届が出る前、あるいは被害届が出た場合でも捜査の初期段階であれば、示談によって事件化を避けることができたり(検察へ送検されない)、不起訴になる場合があります。示談書では、示談金のほか、宥恕(許す)の意思、被害届を出さない・取り下げる旨、口外禁止などを定めるのが一般的です。ただし、示談に応じるかは被害を訴えている風俗嬢次第であり、必ず成立するとは限りません。

また、示談金の金額には決まった相場がなく、事案の内容や相手の被害感情で大きく変わります。店が間に入っている場合は、店側の請求と女性本人の請求を整理して、何に対する支払いなのかを明確にすることが大切です。

弁護士に依頼するメリット

  • 相手や店との連絡を全て弁護士に任せることができ、直接やり取りすることによるトラブル拡大を防げます。
  • 刑事事件になるおそれの有無を見極め、最悪のシナリオを想定した対応ができます。
  • 示談書に口外禁止などを盛り込み、会社・家族に知られないまま解決を目指せます。

【秘密厳守・初回相談無料】

相手方とのやり取りや会社・家族への連絡が始まる前に、まずご相談ください。弁護士が窓口となり、ご相談内容が外部に漏れることはありません。

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※本記事は一般的な法的情報の提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。